IT社員の公私混同2

ゲーム開発者が、映画、ドラマ、アニメと言った趣味について書くブログです。

「アンナチュラル」にハマった理由

2018年の冬ドラマ「アンナチュラル」にはドハマりした。 

 

今回は、アンナチュラルにハマった理由を書いていく。

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理由1:ミステリーとしてすばらしい

私は、ミステリーの素晴らしさは、提示された謎が一般常識の範囲で解明できるかどうかだと思っている。
そういった謎は、解明されたときに、いい意味で裏切られる気持ちよさがある。
 
ところが、専門的な知識を駆使して、謎を暴くタイプのミステリーは、その専門性ゆえに、一般視聴者では原理的に解けない謎になってしまうことがある。
 
ガリレオのいくつかのエピソードは、そうなっていることがある。
湯川の物理学の知識がない場合、謎が明らかにされた時に裏切られる気持ちよさがない。
 
だが、本作は、監察医という専門的な知識をもったものが、謎を暴いていく際にも、一般視聴者の知識で、原理的にとける謎が比較的多かった。
 
第9話を例に考えてみたい。
胃の内容物が腐った死体の死因が何かという謎が提示された。
その死因は、ホルマリンの注射によるものであった。
そして、ホルマリンが原因で、遺体の腐敗が遅れ、それゆえに死亡推定日がずらされることになった。
 
ホルマリンは、理科室の標本で使われる液体であり、腐敗を遅くするものであることは広く知られている。
我々の知っている知識であり、死因のイニシャルがHであることも示されていることから、この謎は、視聴者が「解けそうな謎」だった。
 
他にも第7話では、一人の高校生の死の原因が謎として扱われるが、この原因は、いじめによるものであり、これも一般視聴者が推論可能な謎である。
 
この様に、専門家の視点からとかれていくストーリーであるにも関わらず、一般常識で解ける謎が提示されているため、本作はミステリーとして非常に優れていると私は考える。

理由2:主人公の信条が一貫している

主人公であるミコトは、「理不尽な死は許さない」という信念のもと行動していた。
 
毎回の事件を解明しようとするのも、中堂に協力するのも、
全部、「理不尽な死」を止めるためだったり、不自然死の死因を明らかにし、
不自然死により傷つく人の人たちの気持ちを少しでも楽にしようとするためである。
 
それゆえに、視聴者は、彼女の行動に裏切られることがないのである。
フィクションの登場人物が、予想外の行動をとることは、なかなかにストレスである。
 
視聴者は、回を重ねるごとに、ミコトの人間像を形作る。
そして、○○してほしい、××してほしいと思う様になる。
「理不尽な死は許さない」というミコトの信念は度々提示され、かつミコトがその信念に基づいた言動をするので、みている側の期待と、ミコトの言動が乖離しない。
 
最終話で、検察の圧力に屈して鑑定書を書き換えなところなど、まさにである。
 
ミコトだけではなく、このドラマの登場人物たちは、このように一貫した行動をとる。
中堂は、どんな手を使っても、恋人の死の真相を明らかにしようとし続けるし、
木林は、お金のために、中堂に協力し続ける。
 
この様に登場人物の行動に一貫性があるため、違和感なくみることができる。

理由3:3.11後の日本人に響く内容である

 東日本大震災を通して、多くの日本人は、自分の命や自分の大切な命を突然、終わってしまう可能性があることを実感するようになった。
 
このドラマでは、震災とは違う形ではあるが、突然奪われた命について扱っている。
ミコトたちは、遺体から、どうしてなくなったのか、どの様な思いを死んで、命が果てることになったのかを解明していく。
そして、ミコト達が見つけた真実が、遺族たちに伝わることで、彼らは親しきものの死に一区切りをつけるようになる。
もし、真実を知ることがなければ、恋人の死にまつわる謎に囚われた中堂の様に苦しむことになるだろう。
 
死による悲しみが消えることはないが、死にまつわる疑念が払拭され、前に進むきっかけをつる。
 

ミコト達の様な人たちがいることを知ることで、視聴者は、親しい者を失った時、もしくは自分自身が命を落とすという絶望の中でも、かすかな希望を抱くことができるのである。

 

本作は、物語としてのクオリティーが高いことはもちろん、現代社会においても大きな意味を持つ名作であると言える。

 

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