IT社員の公私混同2

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【感想】劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン ※ネタバレあり

最高だ!!

 ヴァイオレットエヴァーガーデンというタイトルにふさわしい映画であった。

 

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これはヴァイオレット・エヴァーガーデンの物語であり、ヴァイオレット・エヴァーガーデン生涯を描く物語である。テレビ版から見ている我々は、他人を救ってきた彼女がいつ救われるのか、そしてその後、どんな人生を送ったのか、それが知りたい。今回は、そのニーズばっちり満たす内容だった。

 

それを実現するために、後世の人物の視点で物語を描く手法は非常に効果的であった。その人物がテレビ版の屈指の泣けるエピソードに登場したあの女の子の孫というのも実に粋!!
彼女の存在を描くことで、あの女の子が立派に生きて、家族を持ったことがわかる。そして、彼女は生涯ヴァイオレットが書いた手紙を心の支えになってたというではないか。ヴァイオレットの過去を知ろうとする人物にこれほど適格な人はいない。

 

今回、この映画の設定において難点となるのが、少佐がヴァイオレットに会いに行かない理由だと思われる。「どうして、ヴァイオレットを放っておいたのか(怒)」とテレビ版からヴァイオレットを見ていた我々は思わずにいられないからだ。
ただ、少佐がヴァイオレットを兵器として扱うことに対する葛藤を示す描写を多数いれることで、その理由が十分に説明されていた様に思う。自分の傍にいれば、ヴァイオレットは自分を犠牲にしてしまい、両手まで失ってしまうほどに捨て身になってしまうという過去が彼の苦悩を説得力あるものにさせている。

 

そして、なんといっても、本作の感動ポイントは、ヴァイオレットがそんな少佐の心を動かし少佐が苦悩を乗り越える過程だろう。

これまで、自分の気持ちを伝えること、まして自分の気持ちを把握することさえ困難だった彼女が、これまでの経験を糧に、少佐への思いを綴った手紙を書いて、その手紙が彼の心をとぎほぐす。なんというムネアツ展開!!

そして、二人が葛藤を乗り越え、抱き合う二人の姿は涙なしにはみれない。俺たちがヴァイオレットに望む、あるべき姿がみれた時には、圧倒的なカタルシスを感じることができた。映画を観終わった時の、余韻もえげつなくなるというものだ。

 

そして、二人の幸せが、ずっと、ずっと続いたことが後世の目線から語られる。こんなにうれしいことがあるだろうか! 俺たちのヴァイオレットが、島で少佐だけではなく、島のみんなに愛され、そして後世にその業績が知れ渡っているというではないか。最高だ。これだ、これこそがみたかった!!

 

さて、今回、もう一つの話の軸が、余命いくばくの少年が、最後の思いを伝えるという、号泣必須のエピソードであった。映画館で観た時、これが、いまいち少佐を見つける話とリンクしないように感じ違和感を感じた。しかしこれは思い過ごしだったように思う。

思うに、このエピソードは、電話が普及し、ドールが時代遅れとなったとしても、人の思いを伝えるという営みの大切さを訴えるという意義があったのではないだろうか。

後世にヴァイオレットの存在が語られるのも、時代を経てもなお、人の思いを伝えることの大切であり続けるからだ。本エピソードは、ヴァイオレットたちが生きた時代と後世をリンクさせるために必要だったのではないだろうか。
いやーすばらしい。どこをとっても完璧だ。

 

本作は、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの集大成として完璧な作品だ!

本シリーズを歴史的な傑作として決定づける映画だ。

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