賛否両論の嵐だった本作だが、それでも私は「半分、青い」は、私にとっては最高だった。
個人的に気になった点について書いていく。
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若手の積極起用
永野芽郁というセブンティーンの現役モデルを起用したことは、朝ドラにとってプラスだと言える。
新しい視聴者を獲得し続けなければ、コンテンツは終わってしまう。そのためには、新規ユーザーを取り込む必要があり、彼女の起用は若年層へのアピールに大きく寄与した。
久しぶりの現代劇
とと姉ちゃん、べっぴんさん、わろてんかと、ひよっこを除くと戦前、戦中を描く作品がしばらく多かった。
戦争の時代をみるのは、なかなかにストレスが多く朝からけっこうなストレスであった。幸せな描写があっても、戦争がくると思うと素直に楽しめない。
なにより、戦前、戦中が何度も描かれるのをみるのは単純に飽きる。
3.11を初めてあつかった ※注1
現代を語る上で、3.11は避けることができない事件となってしまった。
これを作中で語らないのは、不自然である。特に東京局が制作する東京が舞台の作品ではそれが顕著になる。
3.11以降の現代劇である「まれ」はこれを避けたが、本作ではやっと3.11にふれることができた。
この前例ができたことで、今後の朝ドラが描く物語の幅は広がるだろう。
ただ、まあ、ユウコの死は悲しぎた。
※注1
3.11を扱った作品は、あまちゃんとのご指摘を頂きました。
確かにそうですね。失礼しました。
ここでで言いたかったことは、被災地を舞台にしなかった朝ドラで、311に言及したことが初めてであったことだ。直接被災していない地域に居住する人間が、このことに触れるのは非常にセンシティブであり、難易度が高ったと思う。あまちゃんの脚本は、宮城県出身の宮藤官九郎ですし。
激動の平成にふさわしい波乱万丈な人生
スズメの半生は、失われた30年を生きた人間にふさわしかった。
漫画家は挫折するし、自分がはじめた五平餅屋はのっとられるし、働いていた会社は潰れている。終身雇用が崩壊した平成に実にマッチした作品であった。
そんなにいろいろなことがあるのに、作品全体のトーンがそれほど暗くならなかったのもよかった。毎朝みる番組なので重苦しい雰囲気だと疲れてしまう。
現代劇で怒涛のアクシデントが発生するでお馴染みの「純と愛」は、割とくらい雰囲気で、挫折する人が多かったことを思えば、大きな進歩だろう。
※おもしろくはある
最後までラブストーリー
いろいろな展開があっても、前編を通してスズメと律の関係性が描かれていたのもよかった。最初から最後まで二人のラブストーリーだった朝ドラは、久しぶりな気がする。
まとめ
マンネリが一番よくない。これからも朝ドラが続くためには、変化と刺激が必要である。本作は、そういった意味で非常に意義のある作品であったと言える。
内容もおもしろく、スズメをはじめとする登場人物のキャラクターも立っていて、彼らの活躍をみるのがとても楽しかった。秋風羽織は特に最強だった。
また、こういう作品がみたい!