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本作は、切ない要素がこれでもかと投入されていて、かつその切なさが終盤一気に解消さえれる点が素晴らしかった。
ヒロインの姉(あかねえ)は妹のために東京にでる夢を諦めていること、その姉が好きな男(しんの)はその姉を思いながらも東京に出てざるおえなかったこと、ヒロイン(あおい)はそんな二人の思いを知りながらも姉を地元に引き止めてしまっておりそれでいて姉の好きだった男をが初恋であること等など。
そういう切ない、エモい状況が満載で序盤は息苦しくて、ストレスを感じる
加えて、しんのは東京から凱旋しても、ウダウダしており、みていてイライラしてくる。あかねえに対しても素直に気持ちを言えないし、あかねえもあかねえで気のない素振りをしている。
終盤、この息苦しさが一気に解消されてスキッリする
しんのが青春時代の自分に背中を押されて、走り出すという胸アツ展開から、2人の雪解けにつながるという流れには号泣させられた。その一方で、あおいの初恋とあかねえを縛ってしまった過去への後悔にも蹴りがつく。
ラスト数分で、前半に詰め込まれたカタルシスが一気に開放され、非常に爽快感があった。心さけでも、そういった構成であったが、大人になって響くのは、青春群像劇である本作の方だろう。
大人になると、夜空の向こうよろしく「あの頃の未来に僕たちは立っているのか」が不安になりがちである。そんな時にティーンエイジャーの頃の自分が出てきて説教するというシュチュエーションにはグッとくるものがある。
また、ボイスキャストに起用されたしんの役の吉沢亮とあかねえ役の吉岡里帆の演技はだいぶよかった。吉沢亮は実質二役を演じているが、演じ分けていた様に思う。吉岡里帆に至っては、まったく気づかなかった。
ただ、本作の問題点は、荒唐無稽な事象、過去のしんのが現代に登場するということに対して、もっともらしい説明がまるでなされていない点であると思う。
新海誠なんかは、オカルト的な要因ではあるが荒唐無稽なことにも一応の説明をつける。それだけでも、個人的にはだいぶ納得感があるのだが、本作にはそれさえもないのが減点ポイントだった。
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