最高だった。
※ネタバレありです。
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この時代に非常にマッチした映画であること、そして、なによりジョーカーを演じるホアキン・フェニックスの演技がよかった
社会からもたらされる、ちょっとした理不尽が、主人公のメンタルを徐々に削っていく様子に説得力もたせる演技であった。話の展開も主人公を畳み掛けるように追い込む展開で説得力があった。ただでさえメンタルがギリギリの中、自分の生きる支えであった母親が自分の障害の原因であったこと、そして自分の心の支えであったデニーロ演じる司会者にディスられるという展開は、彼の気が狂うは仕方ないと思わせる出来事だった。
だから、「誰も俺のことをみていない!無視している!」と叫ぶジョーカーの言葉痛いほどにささる。そして、ジョーカーになってやっと、万人がみてくれて、受け入れられたのだから、ジョーカーがジョーカーで居続けることが仕方のないことだと納得してしまう。
そして、そんなジョーカーに共感する自分に恐怖を覚える。自分もああなってしまうのではないかと恐ろしくなる。
加えて、自分の周りにもジョーカーが誕生してしまうんじゃないかという恐怖も襲ってくる。グローバリズムによる中間層の経済力低下、緊縮財政を追及するネオリベ的思想により、福祉の費用がけずれられている時代だから、ジョーカーを生んだ環境が現代に整ってしまっている。現に、ジョーカーと同じ様に「失うものがない」人「無敵の人」による事件が日本でも発生してしまった。
また、全体を通して音楽がとにかくやばい。重苦しい重低音で構成されたBGMが、ジョーカーが感じる閉塞感を存分に伝えていた。
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