【感想】名探偵コナン 黒鉄の魚影
よかった。家庭の事情によりコナン映画を3年連続で観たがその中でも一番良かった。
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本作を傑作にしたのは、お子さま向けの展開をばっさり切ったことと、灰原という古参キャラをしっかり掘り下げたことが理由だと思う
コナン映画は、話の筋が割りと複雑かつシリアスなのに、お子様が感情移入できる様に少年探偵団を最後までま残す展開が多々見られる。彼らが活きる展開もあるが、子供が関わることに違和感を覚える様なシリアス度がます後半の展開に、彼らがコミットすることで、だいぶ興ざめするシーンが多々見られた。例えば、「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」にて、渋谷がテロに合うさなか、彼らはコナンやアガサを手伝っているが、子供がやる様なことではないし、なぜアガサやコナンがそれを許容するのか甚だ疑問だ。
だが、本作は、大勢の人の命がかかった超シリアス展開になるときには、彼らはとっくの昔に退場しており、緊迫した展開に水を指すことがなかった。
そういう極限の状態をきっちりつくったことも相まって、これまた子供にはピンとこないであろう灰原の内面をきっちり描きっていることが何より評価できる。
極限の状態に置かれていることで、灰原の人間的は魅力が溢れ放しになっていた。コナンに対する恋心を抱いていているにも関わらず、コナンを危険にさらさない様に、彼の元を去ろうと決意する姿からは、彼女の優しさと誠実さがにじみ出ている。さらに、命を顧みずに海の底にダイビングをかますという行為からは勇敢さを感じるられる。加えて、コナンからのキスをゲットするという幸運に遭遇してもなお、蘭への義理を果たして、キスを返す姿からは、彼女の人間性の素晴らしさがヒシヒシと伝わってきた。
古参ファンの私はそんな灰原を好きにならずにはいられない。
マジで傑作だった。来年も期待したい。
【感想】シン・仮面ライダー ※ネタバレあり
個人的にはおもしろいけど、人に薦めづらい作品だった。
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バトルシーンでは、仮面ライダーの強さをより強調されており非常に惹き込まれた。
戦闘員の頭を潰すほどのパンチ力、何十メートルも飛びあがり、空中で殴り合うなどなど、見圧倒的な力で敵をねじふせる描写はヒーローらしさを引き立てていた。敵を容赦なく殺してしまう様子はこれまでの仮面ライダーシリーズとは一線を画しており、目新しいし、加えて、自らの強大な力に葛藤を抱く主人公の姿にリアリティを与えていた。
賛否はわかれるだろうが昔の特撮の質感を再現する特撮シーンも一周回って新鮮さがあり、こちらも見飽きなかった。ミニチュア感を微塵も隠さないトラックが山から落ちるシーンや合成感丸出しで空中戦が繰り広げられる2号とのバトルなど、令和につくられた古くて新しい映像は印象に残った。
ただ、こういった映像演出は、仮面ライダーの文脈を知らない人には理解しがたいだろう。
他にも、仮面ライダーに馴染みがない人にはピンとこないことが山盛りだ。主人公は改造されたことをすんなり受け入れるし、ヒーローになる覚悟も割りとサクッと決める。昭和の仮面ライダーを振り返るとそんなもんだった気もするが、最近のヒーローモノ(MCUなど)の作品と比べたときには違和感が大きい。一般的な物語りのセオリーを考えると、もう少し葛藤とかがあってもよいと思う。
また終盤になってから、絵面がわかりづらく、かつチープになっていくのも、本作を薦めづらさを加速させる。
バイクに乗ったアクションはとにかく視認性が悪く何してるかがわかりづらい。一番盛り上がって欲しいラスボス戦にいたっては、VFXや特殊効果が序盤の戦いから比べて明らかに少なくなってて絵面が地味になりすぎた。ラストバトルでいまいちカタルシスを感じられないのも他の映画と比べたときにはどうしても減点せざるを得ない。
これはシンウルトラマンでもあったので、庵野氏の癖なのかもしれかい。
なんというか、ささる人にしかささらない珍味的な作品という評価になってしまう。
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