IT社員の公私混同2

ゲーム開発者が、映画、ドラマ、アニメと言った趣味について書くブログです。

【感想】ぼっち・ざ・ろっく(アニメ)

 

ドラマチックなことはなかなか起きないのに、すごくドラマがあった。 

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高校生がバンドを組んでライブをするなんて、まったくありふれてない、どこにでもある話だ。ただ、独特なキャラ設定を持つ主人公が、それをやることで、本作には多くのドラマが生まれている。
ドラマとは、人間が自分の力で葛藤を乗り越えて成長することだという。一人は、強く人ととの結びつきを欲しながらも、人とと会話すらままならず、コミュ力はゼロだ。そのキャラ設定故に、バンドをする全ての過程で大きく葛藤する。人前にでることが怖いので、ステージに立つことも苦労するし、バンド資金のためのバイトさえも苦になってしまう。それでも、人との結びつきを強く欲しているから、それらに立ち向かおうと葛藤し必死にあがく。

加えて、それらの苦難を乗り越える際に、なにかしら一人の決断がなされるから、本作は傑作になったと思う。最初のライブは、巻き込まれてこそいるが、ライブにでることを決めたのは後藤一人自身である。もし、一人がただ状況に流させれているだけなら、一人は何事にも一歩踏み出せずにいた、過去の自分と変わったことにはならない。ただ周りの状況に流されているだけでは、ただただ運にめぐまれていただけにすぎない。
本作は、折に触れて自ら決断し、人との関わりを持ち、自分の願いを叶えてきた。

葛藤する様子をしっかりをしっかり描いた上で、そして決断して前に進む様子を見せるから、観る側は後藤一人を応援できるし、感情移入できる。

また、バントマンの日常をしっかり描いていることが非常に良い。本作に説得力を与えているだけでなす、ドラマをいっそう盛り上げている。
例えば、ライブするだけで、アホみたいな金がかかるというバンドあるあるは、一人がバイトという障害に直面することに必然性を持たせている。
何よりバンドマンの日常の負の部分を象徴するきくりが物語りに厚みを持たせている。酒を飲んで気を紛らわせなければならないほどのプレッシャーが、バンドマンを襲うことを身を持って伝えている。後藤一人の目指す場所はこの先も一人が目指す道は険しいことがはっきりしており、それ故に一人だけでなく結束バンドのメンバーがどれほどな決意でこのバンドを組んでいるかがわかる。

本作は、リアリティのある描写、主人公設定、そして、ドラマのある展開を要所要所に設定した良作だと言える。

早く続きをみせてくれ。