【感想】映画「カメラを止めるな」 ※ネタばれあり
話題の映画をみてきた。
感じたことを書いてみる。
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構成がうまい
予算が圧倒的に少ないため、どうしたって画はしょぼくなるのだが、圧倒的な低クオリティーパートである「one cut of the dead」が流れることで、後半のしょぼさがまったく気にならなかった。
序盤はつかみなので、ハイクオリティーにするのがセオリーだと思うが、なかなか思い切った構成である。
違和感の理由が明らかになる気持ちよさ
「one cut of the dead」のシーンは、突っ込みどころ満載であり、意味不明な描写がたくさんあった。
そのため、このシーンがどうして生まれたのかを解き明かしていく過程にどんどん引き込まれていく。「one cut of the dead」の撮影シーンでは、謎が全て解明されるので、思い切りカタルシスを感じることができた。
ピースフルな終わり方
見終わった後の爽快感が半端なかった。それは、上記のようにカタルシスを感じることができるだけでなく、監督の苦労が報われるし、娘との確執がなくなる大団円を迎えるからだろう。
特に仕事をしている人は、監督のように上からも下からも突き上げられる立場の人も多いので、彼の仕事が無事終わったときに喜びを感じやすいのではないだろうか。
作り手の哀愁を満喫できる
私も一応、作り手の側の人間なので、より監督の気持ちがわかる。
ほんと、ああいう無茶ぶりをいうやつがいるんだよなー。なので、グダグダいう俳優に監督が、アドリブでガツンというシーンはスカッとした。クリエイターの方は、より楽しめるはずだ。
キャラ付けがうまい
あまりみない役者さんばかりなので、見ている側に覚えてもらうためには、しっかりとしたキャラ付が必要だと思うが、それが見事になされていた。
作品に対して妥協しない監督の娘、アル中のベテラン俳優、めんどくさいイケメン俳優、胃腸の弱い音声などなど。
それらのキャラの特徴が、ストーリーにうまく組み込まれているのも魅力だ。
例えば、作品に妥協しない姿があったから、父親の現場を仕切りだすというぶっとんだ行動に説得力を持たせられた。
ネタバレさせたくないと思わせるつくり
ここまで口コミで広がったのは、みたものに「ネタばれ」しないまま、他人に見てほしいと思わせるつくりということが大きかった様に思う。
序盤の部分でさえ、ネタばれしてみてしまうと、「one cut of the dead」をみる時間が、作業になってしまう。
加えて、もし、この映像(=one cut of the dead)がどうなったかをみていくんでしょ?」という気持ちでみてしまうと、one cut of the deadをみる集中力が低下してしまい、後半の種明かしを楽しめなくなってしまう可能性もある。
上記のような理由のためか、SNSや各種メディアでは「ネタばれしないままみる」こと推奨されていた。
この様にすすめられた人は、「なぜネタばれをそんなに気にするんだろう?」と思い、ますますこの映画に興味を持つようになり、より観に行きたくなる。
このような映画の特徴が、口コミで拡散される要因となり、ヒットにつながったように思う。
いろいろな意味でよくできた映画だと思う。
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