IT社員の公私混同2

ゲーム開発者が、映画、ドラマ、アニメと言った趣味について書くブログです。

【感想】映像研には手を出すな(映画版) ※ネタバレあり

 

よかったが、映画の序盤はなかなか厳しいものがあった。

※ネタバレありです

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状況説明を簡略化するために、映像研に関する説明を、モブの会話によってなすという手法をとっているが、正直わかりづらい。

マンガやアニメの様に時間をかけて映像研の置かれた状況、映像研そのものの説明をする時間がないので、この様な手法自体は間違ってはいないと思う。ただ、説明する内容がぶっとびすぎていて、理解が追いつかない。

映像研の特殊性だけなら、なんとか理解できたかもしれんが、大生徒会という強権的な学校組織が非現実的すぎる。また、水崎氏が親にアニメを作ることを禁止されている点に関しては、ラストの登場人物の葛藤に大きくかかわる部分(※)なので、強調すべきだった様に思う。

※水崎氏が両親に禁じられていたアニメを流すかどうか

 

とはいえ、全体的には良作だったと思う。
浅草氏の妄想は、アニメと違って映像化が難しいと思ったが、VFXはだいぶがんばっていて、それほど違和感ないクオリティーだった。

また、大生徒会との対立構造をアニメよりもはっきり描いたことはよかったように思う。大生徒会と映像研との駆け引きが映画の展開を盛り上げていた様に思う。
そういう対立構造を描けていたので、終盤に、大生徒会の裏をかいて、本部でアニメ制作を進めるという意外性のある展開がみせられた。

 

また、全体の演技も個人的にはほぼ不満はなかった。
アニメを先に観ていると、浅草氏はハスキーボイスのボーイッシュなイメージだったので、齋藤飛鳥では違和感があるのではないかと思ったがそんなことはなかった。顔面がいいのに、ちゃんと非モテ感のある役になっていた。
金森氏を演じた子もがんばっていたけど、きっと普段は「いいこなんだんだろうな」という感じがして、若干違和感を感じたが許容範囲だった。

本作で一番輝いたのは、大・生徒会の初期を演じていた女優(グレイス・エマ)だと思う。
とにかく見た目が大人びていてかっこいいし、声の落ち着いた感じも役に遭っていた。アホっぽい大生徒会のメンバーの目を欺き、映像研に力を貸す彼女は、知的でなければ色々と違和感がでると思うが、その演技には十分にインテリジェンスな言動を感じ取れた。日本のドラマだとい色々と役が限られると思うが、今後に期待したいと思える女優だ。