個人的にはもう一息な作品だった。
ちよと弟との絆、ちよとテルオとの複雑な親子関係など見るべきものはたくさんあったが、いつも通りのテンションで楽しめなかった。
今回はいまいちだった理由を中心に書いていきたい。
※本作が推し朝ドラの場合は読まないがいいです
※ネタばれありです。
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まず、キャラクターのテンションについていけない。
本作の特徴として、登場人物が、韓流ドラマ並みに感情をあらわにしてぶつかり合うシーンが多々あった。正直、朝からうるさい。朝からこのテンションにはついていけない。
その感情のぶつかり合いも、切実な思いから生じる類のものならいいが、子供の様な動機で罵り合うことがあり、正直、しんどい。
例えば、篠原涼子演じるシズが、かつてライバルである菊に、「なぜ芝居じゃ屋をやめたのか。自分はやってほしかった」などと、相手の事をまったく考えない甘えたこと言うシーンは本当にイライラした。自分と同じ様な立場の人間が、どれほどの思いで、店をやめたかくらい想像がつくだろう。シズがそういったしょうもない人間であれば、別にそういう発言は自然だが、彼女は主人公をはじめ多くの人が慕う御料さんだ。いい加減にしてほしい。
また、「喜劇」をテーマにしたのも、なかなか厳しいものがあった。
「おもしろい喜劇ができました」という体で家庭劇をみせられるのだが、正直、見ていておもしろくはない。
喜劇のおもしろさというのは、時代に依存することが多い。そのため、当時の時代背景を踏まえた笑いを、現代人が笑えるようにするのは至難の技なので仕方ないとは思うが、なかなかに厳しい。
ただ、おもしろいとされる人の言動が、おもしろくないというのは頂けない。須賀廼家万太郎が千代と千之助の話をする際に、「冗談や」という言葉をやたらに使うシーンがあったが、正直、冗談としてまったく笑えない。笑えない冗談を言うシーンだったとしたら、喜劇王として君臨する彼のイメージを損なうので、不必要な描写だ。
全体的に放送時間が足りなかった様にも感じる。
例えば、須賀廼家万太郎がなぜ千さんを追い出したのかといった描写はあってもよかったと思う。
大阪局は、週5の朝ドラをつくるのは初めてなので、色々大変だったのだろう。今後に期待。
あと、土曜日の総集編をそのまま流すのもな……。東京局の様にプレゼンターがナレーションを当てるなどの工夫をしてほかった。もっというと、小籔千豊とかオクレ兄さんとか池乃めだかとか新喜劇を出してほしかった。
とはいえ、個人的には千代が京都にいるときはめちゃくちゃ楽しかったし、見どころもあった。制作陣のがんばりはたたえたい。